🌬 ― 竹林の中に、音を聴きに行く笛 ―
**風笛(ふうてき)**は、
清水康之が考案した、竹の笛です。
まだほとんど知られていない楽器で、
教則本も、決まった奏法も、
「こう吹くべき」という正解もありません。
それは、未完成だからではなく、
吹く 体験そのものを大切にしている笛だからです。
🌿楽器というより、「風を通す器」
風笛は、
音を思い通りに操るための楽器ではありません。
息を入れると、
竹の中を風が通り、
その風が、音になって返ってきます。
吹いているというより、
風の通り道に立っている
そんな感覚に近づいていきます。
🌿音階は出る。けれど、音程に縛られない
風笛では、
ドレミファソラシドの音階を出すことができます。
しかし、その音は
単音としてくっきり立つというより、
多くの倍音をまといながら響きます。
音程よりも、
音の広がり、揺らぎ、空気感が前に出る。
そのため、
旋律を吹くこともでき、
同時に「音の中に耳を澄ます」こともできます。
🌿ケーナよりも倍音が多く、尺八よりも気楽に
ケーナが
旋律を楽しむ笛だとすれば、
風笛は
響きを味わう笛です。
倍音の量はケーナよりも多く、
息の角度や力の抜き方によって、
音の表情が大きく変わります。
一方で、
尺八のような厳しい型や修練を必要とせず、
構えすぎず、
もっと日常の延長で音を出すことができます。
🌿竹林の中にいるような体験
風笛を吹いていると、
一本の笛から音が出ているというより、
竹林全体が鳴っているように感じることがあります
音は前に出て主張するのではなく、
周囲に広がり、
やがて静かに消えていきます。
吹いている人自身も、
演奏している感覚より、
音の中に身を置いている感覚に近づいていきます。
🌿認知されていないからこそ、誰もが同じ場所から
風笛は、
まだ広く知られていない楽器です。
からこそ、
うまい・下手
正しい・間違い
経験の有無
といった評価から自由です。
音楽経験のない方も、
シニア世代の方も、
同じところから、音に触れることができます。
🌿上達ではなく、感じる時間
風笛で大切にしているのは、
練習や上達ではありません。
呼吸が自然に深くなる
音を「出す」より「聴く」時間が増える
気持ちが静かになる
そんな時間が、
ゆっくりと流れていきます。
🌿ワークショップ・教室での位置づけ
TAP & WIND の活動では、
風笛は次のような場面で使われています。
音を出すことへの緊張をほどく導入
倍音や響きを体験する時間
ケーナや他の楽器に入る前の入口
シニア・初心者向けの体験ワークショップ
「うまく吹かなくていい」
その安心感が、
音との距離をやさしく縮めてくれます。
🌿最後に
風は、
教えなくても吹きます。
音も、
無理に作らなくても生まれます。
風笛は、
そのことを思い出すための笛です。
竹林の中に立ち、
風の音に耳を澄ますように。
そんな時間を、
音と一緒に味わってもらえたらと思っています。
